築地俊彦総合エロパロ

瀬尾ナツルと三嶋茜が別れたらしい、という情報を雫が聞いたのは、あの戦いが終わってから2年後の夏だった。

別れた理由はよく分からない。ただ、どんな男女の仲にも絶対は無いのかもしれない、と雫は思った。

戦いが終わってから2年間、水琴とは対照的に、雫はほとんどナツルと会っていなかった。
それは彼への気持ちが冷めたからではなく、自身のプライドのせいだった。
恋人のいる男に付きまとうような、恥知らずな女に成りたくない、未練がましい女だと、ナツルにだけは思われたくない、そんな気持ちがナツルとの距離を遠ざけていた。

ただ、今ならナツルに会っても問題ないのかもしれない、そんな考えが頭に浮かぶと、雫の足は自然とナツルの家へと向かっていた。

いくら三嶋さんと別れたといっても、すぐに自分と付き合えるとは思っていない。
慰める、何てことが出来るとも思っていない。
ただ、私達二人は友人の筈だ、一緒に遊んで、一緒に命を懸けて戦った仲間の筈だ。
お互いに恋人がいないのだとしたら、家に遊びに行くことぐらい、大したことでは無いだろう。
きっとナツルは私の名前を呼んでくれるだろう、笑顔を見せてくれるだろう。
気晴らしに、二人で何処かに出掛けたり、一緒に御飯を食べる位なら、ナツルも了解してくれるだろう。
なんと言っても、私達は戦友なのだから。

今はそれだけでも十分だった。この2年間、ナツルに会いたくて堪らなくて、何度も会いに行こうとした。でもプライドが邪魔をして、それ以上に現実を突きつけられるのが怖くて、行けなかった。

雫の心は、ナツルの家までの道中に、既に幸福で満たされていた。