☆　らいでんらぼ　☆

書かれなかった前日譚　【100日後に死ぬ美人女子大生】

横浜市山手町のお屋敷に住む21歳の女子大生。財閥系銀行重役のパパと元華族出身のママの愛する両親に大切に育てられた一人娘。市内のミッション系お嬢様女子大に通う。
（死まであと100日）

成績優秀だが社会勉強のため横浜ベイクォーターのお洒落なカフェでバイトしつつ、障害者施設のボランティアも欠かさない忙しい日々。日曜は父母と教会に通う敬虔なクリスチャン。
（死まであと80日）

大手広告代理店「便通」エリート社員の彼氏と横須賀ヴェルニー公園や猿島の愛のトンネルで甘いデート。初めてホテルに誘われるが結婚するまでは純潔を守りたいと優しく断る。
（死まであと60日）

卒業生総代を務めた名門高校の後輩の進学相談や恋愛相談にのってあげる。
(死まであと40日)

元町の行きつけの有名サロンでカリスマ美容師からカットモデル依頼を断りきれず受ける。
（死まであと30日）

就職を考える時期になり、インターンシップで何社か問い合わせる。瀬島製薬や黒川海運や鍋島探偵社など回るが乙女の本能が危険を知らせて辞退する。
（死まであと20日）

中華街で恩師を交えた高校クラス会に出席。元クラス委員長として代表スピーチして花束を恩師に渡す。
（死まであと10日）

横浜駅で今時のバカな学生の絵が撮りたいマスコミのインタビューを受けるも、日本の将来や世界情勢について真摯で的確な意見を自分の言葉で語る。
（死まであと8日）

モテすぎてまたもやバイト先の仲間から告白されるが彼氏がいるとやんわり断る。
（死まであと6日）

箱根に彼氏と日帰り旅行に行くが休憩のつもりの強羅のペンションが個室温泉付きで、彼氏の熱烈な求愛を拒みきれずついに結ばれて処女喪失して宿泊。
（死まであと4日）

祖母が介護施設から一時退院してホームパーティーで人生最後の和やかな家族の団欒のひととき。
（死まであと3日）

父親から紹介されていた四友銀行横船支店でインターン。川奈理沙という美人行員から業務を習う。
（死まであと2日）

山下公園近くの隠れ家的フレンチで彼氏から性急なプロポーズ。早すぎて驚き戸惑うが、純愛の気持ちから卒業したら……とついに婚約指輪を受けとる。
駅で別れて幸せの絶頂のまま帰宅途中、ワゴン車の五人組の男に拉致され、本牧の倉庫に連れこまれる。夜を徹して輪姦、強制口淫、緊縛宙吊り鞭打ち、熱ロウ垂らし、アナル強姦、連続大量浣腸責めを受け、身体中を噛まれて歯型を付けられる。
（死まであと1日）

翌日の昼、銀行強盗前の景気づけにレイプされながら首を絞められて殺される。十三時五十分、倉庫に火を放たれ遺体は焼かれる。


優しく美しく清らかで聡明で輝かしい未来があった女子大生も、肛虐サドの凶悪犯と出くわしたらただの生贄の牝肉にすぎない。
のちにこの悲劇を追悼して「便通」の彼氏きくざゆうきが主体になって映画化するも、ウルトラハード実録SM物として空前のヒットになり、「けだものがかり」とのタイアップ曲やコラボカフェで多種多彩なJDエログッズがバカ売れする。
(JDちゃんご愛用香水付き雲ぶとん、JDちゃんのアヌスを絞り口に見立てた巾着袋、「横浜に行ってきました」お土産カリントウJDモデルなど）